私は遊ぶ事が何よりも好きなので、家で仕事をしていながらも、友あり遠方より来るのをいつもひそかに心待ちにしている状態で、玄関が、がらっとあくと眉(まゆ)をひそめ、口をゆがめて、けれども実は胸をおどらせ、書きかけの原稿用紙をさっそく取りかたづけて、その客を迎える。 「あ、これは、お仕事中ですね。」 「いや、なに。」 そうしてその客と一緒に遊びに出る。 けれども、それではいつまで