パンドラのはこ |
パンドラの匣 |
冒頭文
作者の言葉 この小説は、「健康道場」と称する或(あ)る療養所で病いと闘っている二十歳の男の子から、その親友に宛(あ)てた手紙の形式になっている。手紙の形式の小説は、これまでの新聞小説には前例が少かったのではなかろうかと思われる。だから、読者も、はじめの四、五回は少し勝手が違ってまごつくかも知れないが、しかし、手紙の形式はまた、現実感が濃いので、昔から外国に於(お)いても、日本に於いても多くの
文字遣い
新字新仮名
初出
「河北新報」河北新報社、1945(昭和20)年10月22日~1946(昭和21)年1月7日
底本
- パンドラの匣
- 新潮文庫、新潮社
- 1973(昭和48)年10月30日