すなあそびばからのどうし ――ソヴェトどうめいのきょうがくについて――
砂遊場からの同志 ――ソヴェト同盟の共学について――

冒頭文

托児所(ヤースリ)からはじまる モスクヷはクレムリとモスクヷ河とをかこんで環状にひろがった都会だ。 内側の並木道(ブリヷール)と外側の並木道と二かわの古い菩提樹並木が市街をとりまき、鉱夫の帽子についている照明燈みたいな※[#丸A大文字、122-6]※[#丸B大文字、122-6]と円い標(しるし)を屋根につけた電車が、冬は真白く氷花に覆われた並木道に青いスパークを散らしながら走る。

文字遣い

新字新仮名

初出

「教育」(「教育科学 第四冊」附録)岩波講座、岩波書店、1932(昭和7)年1月15日

底本

  • 宮本百合子全集 第三十巻
  • 新日本出版社
  • 1986(昭和61)年3月20日