ソヴェトにおける「れんあいのじゆう」について
ソヴェトに於ける「恋愛の自由」に就て

冒頭文

* ソヴェトは恋愛が自由である。 フランスも自由である。 そこでどう違うかということは、資本主義末期の個人主義的に恋が御互を拘束しないということから起って来る恋愛の自由だ。 男が或る女と関係して、嫌になって捨てる。女が妊娠しても男は責任を負わない。 それでも女は訴えるところがない。フランスの恋愛技術は男より数の多すぎる女の経済的必要から進歩して居るかも

文字遣い

新字新仮名

初出

「サラリーマン」1932(昭和7)年1月号

底本

  • 宮本百合子全集 第三十巻
  • 新日本出版社
  • 1986(昭和61)年3月20日