へいわをたもつため
平和を保つため

冒頭文

日本女性の参政二年を記念して、去る十日にマッカーサー元帥が発したステートメントの言葉は大変に美しく、日本婦人の理想の姿を描き出していたと思います。 あの文章を読んで、日本のまじめな多くの女性は深い感慨に打たれたと思います。なぜなら現実の生活において日本の大多数の婦人は、自分たちの二度の投票が果して正しく行われ、それが成功であったかどうかについて疑問を感じ始めています。どの家庭の母親もこの

文字遣い

新字新仮名

初出

「毎日新聞」1948(昭和23)年4月18日

底本

  • 宮本百合子全集 第三十巻
  • 新日本出版社
  • 1986(昭和61)年3月20日