「ひろば」について |
「広場」について |
冒頭文
「広場」は、一九三九年十二月にかかれた。同じ時に「おもかげ」という短篇がかかれていて、ある意味で連作の形をとった。前の年(昭和十三年)一年と、この年の半ば頃まで作品の発表が禁じられていた。 「広場」は、「おもかげ」とともに作者のソヴェト同盟での生活のひとこまを主体としている。社会主義的な自覚をもってきて作者は一九三〇年にまる二年あまり暮したソヴェト同盟から、日本へ帰えるべきか、それともそのままモ
文字遣い
新字新仮名
初出
「文芸読物」(「広場」前書き)1950(昭和25)年2月号
底本
- 宮本百合子全集 第三十巻
- 新日本出版社
- 1986(昭和61)年3月20日