ぶんそかくのしこぜんしょ |
文溯閣の四庫全書 |
冒頭文
凡そ書籍の事に注意する人にして、乾隆の四庫全書の名を知らざる者は少からん。此の四庫全書編纂は、乾隆帝一代の大事業にして、其事の記録に見ゆるは、乾隆三十七年(西暦一七七二)正月四日の上諭に始まる。其主意は、乾隆帝は此の時既に二十一史、十三經等を校勘出版し、其他種々の大部の書を編纂したり、尤も書籍の纂集に就ては、康煕年間古今圖書集成なりて一萬餘卷の大部の書となり、類書としては古來の最も大なるものと稱せ
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「大阪朝日新聞」大阪朝日新聞社、1912(明治45)年7月28日
底本
- 内藤湖南全集 第十二巻
- 筑摩書房
- 1970(昭和45)年6月25日