しがらみそうしのさんぼうろんぶん |
柵草紙の山房論文 |
冒頭文
我に問ふ、何故(なにゆゑ)に久しく文を論ぜざるかと。我は反問せむとす、何故に久しく論ずべき文を出(いだ)さゞるかと。我が文學上の評論をなさんといひし誓(ちかひ)は、今やいたづら事になりなむとす。其(その)咎(とが)果して誰(た)が上にか歸すべき。 露伴子(ろはんし)はその著當世外道(げだう)の面に於いて、柔弱者の口を藉(か)りて我に戲れていはく。鴎外は技術論者にして、唯(たゞ)學校教師た
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「柵草紙」1891(明治24)年9月~1892(明治25)年6月
底本
- 森鴎外全集第七卷
- 筑摩書房
- 1971(昭和46)年8月5日