しんかんかくはとコンミニズムぶんがく
新感覚派とコンミニズム文学

冒頭文

コンミニズム文学の主張によれば、文壇の総(すべ)てのものは、マルキストにならねばならぬ、と云うのである。 彼らの文学的活動は、ブルジョア意識の総ての者を、マルキストたらしめんがための活動と、コンミニストをして、彼らの闘争と呼ばるべき闘争心を、より多く喚起せしめんがための活動とである。 私は此の文学的活動の善悪に関して云う前に、次の一事実を先(ま)ず指摘する。 ——いか

文字遣い

新字新仮名

初出

「新潮」1928(昭和3)年2月号

底本

  • 昭和文学全集 第5巻
  • 小学館
  • 1986(昭和61)年12月1日