それは可愛らしい、お河童(かっぱ)さんの人形であった。丸裸体(まるはだか)のまま……どこをみつめているかわからないまま……ニッコリと笑っていた。 ……時間と空間とを無視した……すべての空虚を代表した微笑であった。 ……真実無上の美くしさ……私は、その美くしさが羨ましくなった。云い知れず憎々しくなった。そのスベスベした肌の光りが無性に悲しく、腹立たしく、自烈度(じれった)くなった