にほんじんのしぜんかん
日本人の自然観

冒頭文

緒言 「日本人の自然観」という私に与えられた課題の意味は一見はなはだ平明なようで、よく考えてみると実は存外あいまいなもののように思われる。筆を取る前にあらかじめ一応の検討と分析とを必要とするもののようである。 これは、日本人がその環境「日本の自然」をいかに見ていかに反応するか、ということ、またそれが日本人以外の外国人がそれぞれの外国の自然に対する見方とそれに対する反応しかたと比べていかなる

文字遣い

新字新仮名

初出

「東洋思潮」1935(昭和10)年10月

底本

  • 寺田寅彦随筆集 第五巻
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1948(昭和23)年11月20日、1963(昭和38)年6月16日第20刷改版