はいくのせいしん |
俳句の精神 |
冒頭文
一 俳句の成立と必然性 五七五の定型と、季題および切れ字の插入(そうにゅう)という制約によって規定された従来普通の意味での俳句あるいは発句のいわゆる歴史的の起原沿革については、たぶんそういう方面に詳しい専門家が別項で述べ尽くされることと思うから、ここで自分などが素人(しろうと)くさい蛇足(だそく)を添える必要はないであろう。しかし自分が以下に試みに随筆的に述べてみたいと思う自己流の俳句観のは
文字遣い
新字新仮名
初出
「俳句作法講座」1935(昭和10)年10月
底本
- 寺田寅彦随筆集 第五巻
- 岩波文庫、岩波書店
- 1948(昭和23)年11月20日、1963(昭和38)年6月16日第20刷改版