しなにおけるしのきげん |
支那に於ける史の起源 |
冒頭文
支那に於ける史の起源に就て述べようと思ふのですが、此の史といふ字には支那では二樣の意義を持つ事になります、一は歴史の書籍の方の意義で、一は歴史を掌る官吏、即ち史官の事になります、其の史籍の方の起源になりますと種々込入つて居りますので、今日は單に史官の起原の事に就てお話を致さうと思ひます。 支那に史官のあつたと云ふ傳説は大分古くからあります、非常に古い話になりますと黄帝の時に倉頡、沮誦とい
文字遣い
旧字旧仮名
初出
中等学校地理歴史教員協議会講演、1915(大正4)年12月6日
底本
- 内藤湖南全集 第七巻
- 筑摩書房
- 1970(昭和45)年2月25日