ふしぎくにたんけん |
ふしぎ国探検 |
冒頭文
夏休の宿題 やけ野原(のはら)を、東助(とうすけ)とヒトミが、汗をたらしながら、さまよっていた。夏のおわりに近い日の午後のことで、台風(たいふう)ぎみの曇(くも)り空に、雲の行き足がだんだん早くなっていく。 東助少年は手に捕虫網(ほちゅうあみ)をもち、肩からバンドで、毒ビンと虫入れ鞄とを下げていた。ヒトミの方は、植物採集用のどうらんを肩から紐(ひも)でつっていた。この二人の少年
文字遣い
新字新仮名
初出
「ラジオ仲よしクラブ」1947(昭和22)年9月号~1948(昭和23)年7月号
底本
- 海野十三全集 第12巻 超人間X号
- 三一書房
- 1990(平成2)年8月15日