ソヴェトぶんだんのげんじょう |
ソヴェト文壇の現状 |
冒頭文
序 ——目に見える変化—— ソヴェト文壇の空気はこの一二年に、ひどくかわった。 著しいかわりかたは、ハッキリ目に見えるところにある。「作家の家」と云って、ソヴェトのいろんな作家団体がそこに事務所をもっている昔の革命家「ゲルツェンの家」へ行って見るだけで充分だ。 われわれは一九二七年の暮、おしつまってモスクワへついた。多分、翌年の正月だったと思う。「ゲルツェンの家
文字遣い
新字新仮名
初出
「綜合プロレタリア芸術講座 第一巻」内外社、1931(昭和6)年5月号
底本
- 宮本百合子全集 第九巻
- 新日本出版社
- 1980(昭和55)年9月20日