モスクワにっきから あたらしいしゃかいのはは
モスクワ日記から 新しい社会の母

冒頭文

一九三〇年九月×日。 予約出版物の用事で「アガニョーク」社へ出かけた。白樺の粗末な板塀についた切り戸から入るようになっている。(普請中で。) この間は人足が泥をほじっていた横の空地がもうちゃんと子供の遊場になっている。砂場、ブランコ、滑り台。こっちでは、丁度昼休みで、「アガニョーク」の若い男女の連中がシャツ一枚になって新しい遊び場を早速利用しボールをやって遊んでいる。子供の笑い

文字遣い

新字新仮名

初出

「婦人画報」1931(昭和6)年11月号

底本

  • 宮本百合子全集 第九巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年9月20日