『ぶんげいひょうろん』しゅっぱんについて |
『文芸評論』出版について |
冒頭文
ここに集められている宮本顕治の諸評論は、凡そ一九二九年頃から一九三二年三月頃まで、略(ほぼ)三年間に書かれたものである。執筆された当時から今日までには僅か五年足らずの年月しか経ていないのであるが、その間には此等の諸論策の筆者自身の身辺に重畳せる波瀾を生ぜしめた左翼運動の急激な画期的な動きがあり、同時に、プロレタリア文学の現状というものも、此等の論文を書かしめた時代とは全く異った相貌に置かれている。
文字遣い
新字新仮名
初出
「文芸評論」(宮本顕治著、六芸社)の前書き、1937(昭和12)年2月号
底本
- 宮本百合子全集 第十一巻
- 新日本出版社
- 1980(昭和55)年1月20日