パァル・バックのさくふうそのた |
パァル・バックの作風その他 |
冒頭文
中国という国へ、イギリスやアメリカの婦人宣教師が行って、そこで生活するようになってから、何十年の年月が経ったであろう。それらの婦人たちは、それぞれの歴史的な時期で中国の男女の生活を見聞きして、生活の交渉をもって来たわけであるが、パァル・バックの作品を知るまで私は、そういう条件で中国にいて、中国を小説に描いたヨーロッパの婦人作家を知らなかった。 「大地」「母」などを、私は深い興味をもって示唆さ
文字遣い
新字新仮名
初出
「婦人文芸」1937(昭和12)年3月号
底本
- 宮本百合子全集 第十一巻
- 新日本出版社
- 1980(昭和55)年1月20日