ちょうへんさっかとしてのマクシム・ゴーリキイ
長篇作家としてのマクシム・ゴーリキイ

冒頭文

作品をよんだ上での感想として、ゴーリキイが中篇小説において長篇小説よりすぐれた技術、味いを示し得ていることを感じるのは恐らくすべての読者の感想ではないでしょうか。もしかすると、短篇が更にそこに横溢している生活感情や色彩熱量などの点で卓抜であるというひともいないではないでしょう。例えば「二十六人と一人」「チェルカッシュ」などを愛読したひとは。 ゴーリキイが、あらゆる点で豊富なテムペラメント

文字遣い

新字新仮名

初出

「長篇小説」1937(昭和12)年3月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十一巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年1月20日