やしゃのなげき
夜叉のなげき

冒頭文

『文学界』に告知板というところがある。毎号そこにいろいろな作家が短い自由な感想をのせているのであるが、九月号のその雑誌に「新胎」を書かれた舟橋聖一氏も、本月はこの欄に一文をよせておられる。 「新胎」を創作するに当って助力をよせた各方面の専門家の姓名を列挙し、感謝をささげておれる。つづいて自身の病気にふれ、子供さんの病気に心痛顛倒する自身の心持に語り及んでそこへ私の名がひきあわされているので、自然

文字遣い

新字新仮名

初出

「あらくれ」1937(昭和12)年11月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十一巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年1月20日