げんだいのこころをこめて はにごろうちょ『ミケルアンジェロ』 |
現代の心をこめて 羽仁五郎著『ミケルアンジェロ』 |
冒頭文
羽仁五郎氏は、この真心を傾けて執筆された独特な伝記を、有名なダヴィテの像に今日見ることの出来るミケルアンジェロの不滅の生命から語りはじめていられる。「ミケルアンジェロは、いま、生きている。うたがうひとは『ダヴィテ』を見よ。」という情熱のこもった声によって、この魅力ふかく学ぶところの多い一冊の本は始まっているのである。 この評伝の美しさ、漲る誠意と、その土台をなして実に活々と確かに歴史の現
文字遣い
新字新仮名
初出
「法政大学新聞」1939(昭和14)年6月5日号
底本
- 宮本百合子全集 第十一巻
- 新日本出版社
- 1980(昭和55)年1月20日