とくながすなおの「はたらくひとびと」 |
徳永直の「はたらく人々」 |
冒頭文
生産的な場面での女の働きは益々範囲がひろがって来ているし、そこへの需要も急速に高まっているけれども、一応独立した一個の働き手として見られている勤労婦人の毎日の生活の細部についてみれば、それぞれ職場での専門技術上の制約があり、男対女の慣習からのむずかしさがあり、更に家庭内のいきさつで女はまだまだ実に重たい二重の息づきで暮している。 「はたらく人々」で徳永直氏は、印刷工場の解版女工であるアサを中
文字遣い
新字新仮名
初出
「新潮」1939(昭和14)年12月号
底本
- 宮本百合子全集 第十一巻
- 新日本出版社
- 1980(昭和55)年1月20日