ぶんげいじひょう 「ナップ」だいさんかいたいかいにふれて |
文芸時評 「ナップ」第三回大会にふれて |
冒頭文
一九三一年五月は、日本のプロレタリア文学運動の歴史にとって、一つの記念すべき月だった。 中旬に、労農芸術家連盟(機関誌『文芸戦線』)が第三次の分裂を行った。脱退した細田源吉以下十一名はすぐ前線作家同盟を組織した。 だが数日のうちに組織の名称を第二「文戦」打倒同盟と変えた。彼らは、日本の階級闘争の現実とハリコフ会議で行われた国際的批判とによって、いわゆる「文戦派」のファッショ化が
文字遣い
新字新仮名
初出
「中央公論」1931(昭和6)年7月号
底本
- 宮本百合子全集 第十巻
- 新日本出版社
- 1980(昭和55)年12月20日