プロレタリアぶんがくにおけるこくさいてきしゅだいについて |
プロレタリア文学における国際的主題について |
冒頭文
一 『改造』十月号に藤森成吉が「転換時代」という小説を書いている。 自分は非常な興味をもってよみ始め、よみ終ってから何度も雑誌の頁をパラパラめくって考えこんだ。——感服したのではない。不服だった。大いに不服なのだが、この「転換時代」は非成功的作品にもかかわらず種々の発展的な問題を含んでいる。その問題の積極性が自分の注意を捕えた。 プロレタリア文学において、国際的主題はどう扱われる
文字遣い
新字新仮名
初出
「読売新聞」1931(昭和6)年10月16、17、20~22日号
底本
- 宮本百合子全集 第十巻
- 新日本出版社
- 1980(昭和55)年12月20日