いちれんのひプロレタリアてきさくひん 「かめのチャーリー」「おさなきがっしょう」「きのないむら」
一連の非プロレタリア的作品 「亀のチャーリー」「幼き合唱」「樹のない村」

冒頭文

十月下旬行われた作家同盟主催の文学講習会のある夜、席上でたまたま「亀のチャーリー」が討論の中心となった。ある講習会員が「亀のチャーリー」をとりあげ、その作品は一般読者の間で評判がよく親しみをもって読まれたから、ああいう肩のこらない作品の型もプロレタリア文学の中にあってよいのではないかという風に問題をおこし、プロレタリア文学のジャンルの問題に連関させていた。 その晩、自分は最後の時間をうけ

文字遣い

新字新仮名

初出

「プロレタリア文学」日本プロレタリア作家同盟機関誌、1933(昭和8)年1月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年12月20日