ふまんときぼう だんせいさっかのえがくじょせいについて(『よみうりしんぶん』きしゃとのいちもんいっとう)
不満と希望 男性作家の描く女性について(『読売新聞』記者との一問一答)

冒頭文

問「男の作家に女性が書けるか書けないかというのは小説が書けるか書けないかというのと同じ愚問ですが、書けているとか、書けていないということはいえると思います。で女流作家の立場から男の作家の女性描写を検討していただきたいのです」 答「文学の上でネ、女を男の作家が書くとか書かないということは大づかみにいえばネ、その作家がどの程度まで現実的な人間を書けるかという問題になるでしょうから、その点だけいえばネ

文字遣い

新字新仮名

初出

「読売新聞」1935(昭和10)年1月20、22日号

底本

  • 宮本百合子全集 第十巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年12月20日