マクシム・ゴーリキイのでんき ようねんじだい・しょうねんじだい・せいねんじだい |
マクシム・ゴーリキイの伝記 幼年時代・少年時代・青年時代 |
冒頭文
前書 一九三六年六月十八日。マクシム・ゴーリキイの豊富にして多彩な一生が終った。恰度ソヴェト同盟の新しい憲法草案が公表されて一週間ほど後のことであった。ゴーリキイはこの新憲法草案の公表によって引き起されたソヴェト同盟内のよろこびと、世界のそれに対する意味深い反応とを見て生涯を終った。それより前に、ゴーリキイが重病であるという記事を新聞で読み、毎朝新聞を開く毎にその後の報知が心にかかっていた。
文字遣い
新字新仮名
初出
「多喜二と百合子」第14~19号、多喜二・百合子研究会、1956(昭和31)年2~9月号
底本
- 宮本百合子全集 第十巻
- 新日本出版社
- 1980(昭和55)年12月20日