ベリンスキーのがんりき
ベリンスキーの眼力

冒頭文

「『マクベス』はシェークスピアの最も大きな、そしてそれと共に最も怪奇な作品の一つである。この作では一方からは彼の創造的天才の巨大な力が全部反映し、他方からは彼が生活している世紀の野蛮さの全部が反映している」 「シェークスピアは世界が有したかぎりの、詩の領域に於けるすべての天才のうち最大のものであるかもしれない。しかし同等に彼は自分の時代の、自分の世紀の子であった。人間の理性が千年の夢からやっと目

文字遣い

新字新仮名

初出

「女靴の跡」高島屋出版部、1948(昭和23)年2月発行

底本

  • 宮本百合子全集 第十二巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年4月20日