ディフォーメイションへのぎもん
ディフォーメイションへの疑問

冒頭文

この一年あまりの間に日本の文化がどんなに新しく、そしてゆたかになったかということについては、いろいろの複雑な問題がある。文学は字であらわされる芸術であるし、字というものは生活の言葉であるから、私たちの生活の実感というものと照しあわせてそれを理解し判断する手がかりがある。つまり素人でも文学は批評できるし、その批評は批評として成りたつ。文学が特殊な人々の愛玩物ではなくて、私たちすべての生活人の社会生活

文字遣い

新字新仮名

初出

「美術運動」第2号、1947(昭和22)年6月

底本

  • 宮本百合子全集 第十三巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年11月20日