せんそうとふじんさっか |
戦争と婦人作家 |
冒頭文
これまでの日本はいつも天下りの戦争にならされていました。天皇制の封建的な、絶対的な教育の下で、人民は戦争を「思惑の加った災難」として、無批判に服従してきました。 そして今日の破局に到りました。日本に戦争反対の心がなかったかといえば、小田切秀雄の「反戦文学の研究」をみてもわかるとおり、いつもときの戦争に反対した人道的な精神はありました。天皇制の権力はそういう文学を非国民の文学とし最近の数年
文字遣い
新字新仮名
初出
「アカハタ」1948(昭和23)年6月24日号
底本
- 宮本百合子全集 第十三巻
- 新日本出版社
- 1979(昭和54)年11月20日