ワンダ・ワシレーフスカヤ
ワンダ・ワシレーフスカヤ

冒頭文

ソヴェト同盟との間にとりかわされていた不可侵条約をやぶって、ナチス軍がポーランドからウクライナへ、モスクワへ、レニングラードへと侵略しはじめた一年後、一九四二年八月、ソヴェト同盟の新聞『イズヴェスチア』に「虹」という小説が連載された。作者はポーランドの婦人ワンダ・ワシレーフスカヤといって、それまでは作家としてよりむしろ政治的な活動で知られていた。彼女はモスクワに在ったポーランド解放委員会の議長であ

文字遣い

新字新仮名

初出

「アカハタ」1948(昭和23)年7月2日号

底本

  • 宮本百合子全集 第十三巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年11月20日