こばやしたきじのこんにちにおけるいぎ |
小林多喜二の今日における意義 |
冒頭文
小林多喜二全集第一回配本を手にしたすべての人々が、まず感じたことは何だったろう。これで、いよいよ小林多喜二の全集も出はじめた。そのことにつよい感動があった。つづいて、小林多喜二全集の編輯は、実に周密、良心的に努力されていて、ただうりものとして現在刊行されている各種の全集類とは、まるで趣をことにした実質をもっていることを、当然のことながら新しい意義でそれぞれの心と行動の上にうけとる思いがある。直接編
文字遣い
新字新仮名
初出
「小林多喜二全集月報」第二号、1949(昭和24)年2月
底本
- 宮本百合子全集 第十三巻
- 新日本出版社
- 1979(昭和54)年11月20日