そのさくはひつようか
その柵は必要か

冒頭文

こんにち、「勤労者文学」の問題が、とくべつの関心のもとにとりあげられるということは、全体として民主主義文学運動が、一つの新しい発展の段階にふみだして来ていることを語ると思う。この課題について、わたしは自分として一定の見解を主張するというよりは、むしろ、みんなの手近にある『新日本文学』『文学サークル』『勤労者文学』などを見直して、そこからひき出されて来る具体的な論点をあらまし整理し、発展させてみる方

文字遣い

新字新仮名

初出

「新日本文学」1949(昭和24)年6月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十三巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年11月20日