つぼいさかえさくひんしゅう『こよみ』かいせつ |
壺井栄作品集『暦』解説 |
冒頭文
小説をかくひととしての壺井栄さんが人々の前にあらわれたのは一九三八年(昭和十三年)の末のことであった。この集にはおさめられていない「大根の葉」という作品をよんだ人々は、これまでの婦人作家の誰ともちがった気質と話しぶりとをもっている一人の婦人作家をそこに発見したのだった。つづいて「暦」が栄さんの作家としての力量を動かしがたいものとして示した。 作品集「暦」の出版記念会が一九四〇年(昭和十五
文字遣い
新字新仮名
初出
壺井栄著「暦」解説、光文社日本文学選、1949(昭和24)年10月
底本
- 宮本百合子全集 第十三巻
- 新日本出版社
- 1979(昭和54)年11月20日