えんぴつのしじんへ
鉛筆の詩人へ

冒頭文

さきごろは「鉛筆詩抄」を頂きまことにありがとうございました。 この前、鉛筆の詩を拝見したときから、わたしに感銘されていた詩の精神が、ここに集められているすべての詩のなかにこもっています。日本にも、生活そのものの中から、「言葉の魔術」をふりきって、「詩のポーズ」をけとばして、うたわれて来る詩のできたことは、何とうれしいでしょう。 わたしは詩というものが書けないけれども、詩をこのみ

文字遣い

新字新仮名

初出

「詩作」岡山市・詩作社、1949(昭和29)年12月

底本

  • 宮本百合子全集 第十三巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年11月20日