ごじゅうねんだいのぶんがくとそこにあるもんだい
五〇年代の文学とそこにある問題

冒頭文

一 十二月号の雑誌や新聞には、例年のしきたりで、いくたりかの作家・評論家によって、それぞれの角度から一九四九年の文壇が語られた。その一年に注目すべき作品を生んだ作家たち、明日に属望される新人も、作品に即してあげられた。 これらのしめくくりは、しかし、去年という三百六十五日の間にわたしたちが生活と文学との肌身へじかにうけて生きて来た激しい暑さ、さむさ、ほこりっぽい複雑さのいろいろを、

文字遣い

新字新仮名

初出

「宮本百合子全集 第十三巻」新日本出版社、1979(昭和54)年11月20日初版発行

底本

  • 宮本百合子全集 第十三巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年11月20日