『けんこうかいぎ』そうさくせんひょう
『健康会議』創作選評

冒頭文

十篇の応募作品をよんだ。出来・不出来はあるにしろ、そのどれもを貫いて流れているのは、日本の結核療養に必要な社会施設のとぼしさと、そこからおこる闘病の苦しく複雑な現実の思いである。ベティー・マクドナルドというアメリカの婦人作家が書いている「病気と私」の明快さ、諷刺をふくむ明るさが、鋭い対照をもって思い浮ぶようないまの日本の闘病の現実が描かれている。 悲劇の原因として文学作品に結核が描かれる

文字遣い

新字新仮名

初出

「健康会議」1951(昭和26)年1月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十三巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年11月20日