かしゅう『ぎょうじつ』のちょしゃに |
歌集『仰日』の著者に |
冒頭文
過日『仰日』ならびに『檜の影』会からお手紙を頂き重ねてあなたからのお手紙拝見いたしました。『仰日』を拝見して、短歌については素人ですが一つ二つ感想を申上ます。 わたくしは一人の読者として『仰日』におさめられている多くの生活の歌につよく心をひかれました。父をうたい祖母を語り、故郷の生活について描いて来た作者が、妻を得て、そこに独特のいつくしみ合いをもって生きつつある歌の数々は、『仰日』をつ
文字遣い
新字新仮名
初出
「新日本歌人」1951(昭和26)年2月号
底本
- 宮本百合子全集 第十三巻
- 新日本出版社
- 1979(昭和54)年11月20日