おおさかのちょうにんとがくもん
大阪の町人と学問

冒頭文

大阪の町人の學問については、豫て私の友人幸田成友君などが隨分精細な調べをされて、大阪市史にも載せられて居るから、私が茲に語らんとする所は、大阪の町人と學問との關係について、私一個の考察を申述べるに過ぎない。而も此等の事に關しては、懷徳堂で嘗て山片蟠桃の話をし、この次ぎに富永仲基に關する話をする約束があり、又嘗て土屋元作君が橋本宗吉に關して精しいお話があつて、此等の人々はいづれも大阪の町人學者である

文字遣い

旧字旧仮名

初出

大阪における講演、1922(大正10)年

底本

  • 内藤湖南全集 第九巻
  • 筑摩書房
  • 1969(昭和44)年4月10日