あまつきょうこもんじょのひはん |
天津教古文書の批判 |
冒頭文
第一 緒言 天津教古文書の批判に先だち、私は如何なる因縁で天津教の存在を知つたか、又如何なる必要あつて其古文書を批判するか、この二點に就いて説明して置きたい。 昭和三年五月の末に、天津教信者の某々二氏が拙寓に訪れ、その寶物の寫眞を贈られ、兼てその本據地なる茨城縣磯原へ參詣を勸められた。私は寫眞を一見して、其原物の欺瞞性を感知し甚だ怪しからんことを聞くものかなと思つたが爭ふことを
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「思想」岩波書店、1936(昭和11)年6月
底本
- 狩野亨吉遺文集
- 岩波書店
- 1958(昭和33)年11月1日