こうずいたいりくをのむ |
洪水大陸を呑む |
冒頭文
ふしぎな器械 「ぼく、生きているのがいやになった」 三四郎が、おじさんのところへ来て、こんなことをいいだした。 「生きているのがいやになったって。これはおどろいたね。子供のくせに、今からそんなことをいうようじゃ心ぼそいね。なぜそう思うんだい」 しらが頭に、度のつよい近眼鏡をかけた学者のおじさんは、本から目をはなして、たずねた。 「だって、ちっともおもしろいことがないんだも
文字遣い
新字新仮名
初出
「まひる」1947(昭和22)~1948(昭和23)年頃(掲載年月日不詳)
底本
- 海野十三全集 第11巻 四次元漂流
- 三一書房
- 1988(昭和63)年12月15日