わかいふじんのためのしょだな |
若い婦人のための書棚 |
冒頭文
私たちのまわりには何と沢山の本があることだろう。ほとんどおそろしいほどどっさり本がある。けれども、私たちがそれを読む時間も金も限られており、何かの形でまとまった系統を立てて、ごく毎日の生活の滋養になるような工合に本を選び、それをポツポツと読んでゆくことは容易でない。 ブック・レビュウをして深く感じることは、ただ月二三冊の新刊の本をとりあげていって見ても、読者の本を読んでゆく一貫した方法と
文字遣い
新字新仮名
初出
冒頭部分「若い婦人のための書棚」は初出不詳。「大地」「孤児マリイ」は、「新女苑」1938(昭和13)年1月号。「追記」は、「宮本百合子選集 第十五巻」安芸書房1949(昭和24)年10月。
底本
- 宮本百合子全集 第十四巻
- 新日本出版社
- 1979(昭和54)年7月20日