せだいのかち せかいとにほんのぶんかしのちしき |
世代の価値 世界と日本の文化史の知識 |
冒頭文
私たちの日々の生活というものは、極めて現実なものであって、どんなひとでも、その人々の生きている時代とその人の生活の属している社会環境とから離れて生活を持つということはない。どんなに目立たない朝夕をつつましく送っているひとの一生をとってみても、その人の存在は先ず地球の上に現われている一個の人間であるということからはじまって永い人類進化の歴史につながっている。更にその人が人間であるというだけではなくて
文字遣い
新字新仮名
初出
「新女苑」1940(昭和15)年12月号
底本
- 宮本百合子全集 第十四巻
- 新日本出版社
- 1979(昭和54)年7月20日