じょせいのれきしのななじゅうよねん
女性の歴史の七十四年

冒頭文

私たち日本の女性は、これまでの歴史の中で、はたしてどんな政治的な経験と呼ばれるものをうけついで来ているのだろうか。 自由民権時代に、岸田俊子その他の若い女性が活躍したことは周知のとおりだし、大正末期から昭和六七年頃までの期間、多くの若い婦人が政治的な関心をめざまされて活動したことも、まだ記憶に新しいことだと思う。 維新の風雲の間を奔走した女のひとたちはもとより少くなくて、それら

文字遣い

新字新仮名

初出

「教育」1941(昭和16)年1月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十四巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年7月20日