じょせいのげんじつ
女性の現実

冒頭文

十二月十七日から三日の間に行われた協力会議で、婦人の問題で高良富子さんが、婦人局の設置の案を提出した。それに対して、有馬頼寧伯の談として、婦人局というようなものを置こうとは思っていない。婦人を区別しては考えていないわけで、国民としての貢献は男と全く同じ心で期待しているのだから、かえって婦人たちによろこばれるだろうと思っているという意味の言葉が語られているのを夕刊で読んだ。 会議の結果、ど

文字遣い

新字新仮名

初出

「オール女性」1941(昭和16)年2月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十四巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年7月20日