にいじましげるちょ『しゃかいうんどうしそうし』しょひょう
新島繁著『社会運動思想史』書評

冒頭文

私たち一般人の日常生活の内外に相関連する社会的現実は、この二三年益々複雑多岐、錯綜、紛乱を極めて来ている。こういう社会の激しい矛盾の有様は、将来どうなってゆくのであろうか。今日このように巨大決裂の予感を感じさせている社会は過去にどのような歴史を辿って来ているのであろうか。そういう現実の根源の推移を司る力というものがあるなら、そして、その法則というものがあるのなら、それを知りたいという心持は、近頃の

文字遣い

新字新仮名

初出

「唯物論研究」1937(昭和12)年12月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十四巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年7月20日