ラジオじひょう |
ラジオ時評 |
冒頭文
ラジオの生活性 ラジオは誰でも毎日耳で聴いているものだ、ということについて、今日ラジオを送り出す方の側の人々は、どんな感覚をもっているのだろうか。 私たちがラジオを自分たちの耳で聴いている、という事実の裡には、案外なかなか複雑な意味があるのだと思う。ラジオは音だから、耳で聴いているのはあたり前というだけのものではなかろう。毎日の耳で聴いている、ということは、めいめいの生活そのものの
文字遣い
新字新仮名
初出
「東京日日新聞」1940(昭和15)年11月26、27日号
底本
- 宮本百合子全集 第十四巻
- 新日本出版社
- 1979(昭和54)年7月20日