だいよんのおっとから |
第四の夫から |
冒頭文
この手紙は印度(インド)のダアジリンのラアマ・チャブズン氏へ出す手紙の中に封入し、氏から日本へ送って貰うはずである。無事に君の手へ渡るかどうか、多少の心配もない訣(わけ)ではない。しかし万一渡らなかったにしろ、君は格別僕の手紙を予想しているとも思われないからその点だけは甚だ安心している。が、もしこの手紙を受け取ったとすれば、君は必ず僕の運命に一驚(いっきょう)を喫(きっ)せずにはいられないであろう
文字遣い
新字新仮名
初出
「サンデー毎日」1924(大正13)年4月
底本
- 芥川龍之介全集5
- ちくま文庫、筑摩書房
- 1987(昭和62)年2月24日