わかいひとたちのいし
若い人たちの意志

冒頭文

ゆたかに、より能力のある人生を、というこころもちから、このごろの十代の人たちはどう生きているか、そして、どう生きようと欲しているか、という問題について注目されはじめている。 これは日本にとって、どういう角度からも決して無意義なことではない。若い女性というとき、これまでその若さは何となし結婚適齢期のぐるりで考えられていた。昔の人達が年ごろの若い方とよぶとき、それは女学校卒業ごろから結婚まで

文字遣い

新字新仮名

初出

「新女苑」1951(昭和26)年1月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十五巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年5月20日