「おんならしさ」とはなにか |
「女らしさ」とは何か |
冒頭文
日本人は早く仏教に由って「無常迅速の世の中」と教えられ、儒教に由って「日に新たにしてまた日に新たなり」ということを学びながら、それを小乗的悲観の意味にばかり解釈して来たために、「万法流転」が人生の「常住の相」であるという大乗的楽観に立つことが出来ず、現代に入って、舶載の学問芸術のお蔭で「流動進化」の思想と触れるに到っても、動(やや)もすれば、新しい現代の生活を呪詛(じゅそ)して、黴(かび)の生えた
文字遣い
新字新仮名
初出
「婦人倶楽部」1921(大正10)年2月
底本
- 与謝野晶子評論集
- 岩波文庫、岩波書店
- 1985(昭和60)年8月16日